-
何度も殴られたせいで顔が変形した子犬の物語
投稿日 2020年5月20日 05:00:00 (ラブラドールレトリバー)
アメリカ・オハイオ州の
動物保護センターでのお話。
生後4ヶ月の
「スクィッシュ」が
運び込まれたのは
2016年4月。
スクィッシュの姿を見た
センターの従業員たちは
言葉を失った。
顔がグニャッと
変形していたから。
顔面への損傷が激しく
歯と歯の間から
舌を出すのも
困難な状態にも関わらず、
救出してくれた
センターのみんなに
尻尾を振って
愛らしい素振りを見せていた。
顔の変形はおそらく
他の犬に噛まれたあとが
化膿したのが原因だと踏んだ
獣医たちは、
抗生物質と痛み止めを処方。
しかしセンターに来てから
状態は次第に悪化していく。
処方した薬は
全く効かなかった。
顔面の変形のため
口を開けられず、
餌を食べる事ができないため、
体重はみるみる落ちていく。
このままでは
苦しませるだけと、
医師たちは
2ヶ月前に救出された
この子犬を
安楽死させることに決める。
しかし医師たちも
それまでに
できる限りのことはしたい、と
最新医療設備が整った動物病院に
連れていく。
CTスキャンの結果、
なんと
スクィッシュの顔の怪我は
感染症が原因ではなく、
何者かが
鈍器で顔を何度も
殴打した事が原因だと
判明した。
彼がまた自分の力で
エサを食べることができるように、
長時間にわたる手術が
行われた。
しかし手術後に誰かが
人間が大好きなこの子の
里親になってくれる見込みは
少なかった。
手術をしても
生きるかどうか分からないし、
こんな変わった風貌の子犬の
手術費用を
里親になって
負担してくれる人は
いないように思われた。
この時、ここで
研修生として働いていた
1人の女性が
スクィッシュを
診察室へ運ぶよう
命じられる。
診察室へ向かう途中、
腕の中で
スクィッシュは彼女を
その茶色の瞳で
じっと見つめたという。
「数知れない
困難を乗り越えてきた
この一眼の犬に
一目ぼれしてしまいました」
今まで経験してきたであろう
様々な苦難にもめげず、
明るく元気なこの子に
彼女は驚き、
愛情というものを
教えてあげたいと思った。
彼女はスクィッシュを
一晩家に連れ帰ることにする。
動物病院の檻の中で
夜を過ごして欲しくなかったから。
「車の窓から外を眺めて、
尻尾を
振り続けていました。
まるで
笑っているようでした」
スクィッシュは安心したのか
家に着くと
すぐ眠りについてしまったが、
彼女はその夜
なかなか眠れなかった。
翌日、安楽死の手術が
行われる予定のスクィッシュが、
温かい腕の中で
ぐっすりと
眠りにつくことができるのは、
この夜が
最後だったから。
そして、次の日の朝、
目が覚めた彼女は
決意していた。
「スクィッシュは
安楽死させない。
私が引き取る」
彼女だけでなく、
クリニックで
獣外科医として働く
同僚医師もまた
この愛らしい子犬に
心を奪われており、
次の日に
外科手術を施す。
そして、
顎の骨を一部
切除することによって、
自力で食事ができるように
なった。
それからも
様々な手術が施される。
歯、右目、
そして顎の一部の切除。
術後、
元気を取り戻したスクィッシュは
自由に駆け回るようになった。
テニスボールを
追いかけ回したり、
キャッチをしたりするのが
お気に入り。
でも、やっぱり
飼い主さんにヨシヨシされるのが
一番嬉しい。
実は
スクィッシュが
保護センターに
運び込まれた時期は、
彼女が
それまで飼っていた愛犬が
高齢の為
この世を去ったタイミングと
ぴったり重なっていた。
愛する家族を失った悲しみを
乗り越えるために、
スクィッシュの存在を
必要としていた彼女と
帰るところを必要としていた
スクィッシュ。
2人が出会ったのは
もしかしたら
運命だったのかもしれない。
( ⇒ こちらの記事)
参照記事には
心痛む
かなり悲惨な状態の
写真がありますので
ご覧になる時には
お気をつけください。
スクィッシュに
幸多からんことを!
Source: わん子な生活 『アルマくん成長記』
最新情報